東京本社と福岡支社をもつGMOペパボ株式会社は、「ぺパステ」という名称のフリースペースを作りました。このスペースを作ったことにより、社員のアウトプットの機会がを増えたそうです。今回は、リニューアルによって社員のポテンシャルを引き出すことに成功したオフィス事例をご紹介したいと思います。
(左)総務グループマネージャー・和島史典さん (右)取締役CIO経営管理部長・野上真穂さん
東京本社のすごすぎる社内施設
渋谷のセルリアンタワー
GMOペパボはGMOインターネット株式会社のグループ会社で、ホスティングやドメイン、EC支援、ハンドメイドマーケットなど、インターネットでの表現活動を支援するサービスを提供している会社で、本社は同じ渋谷のセルリアンタワー内にあります。GMOペパボで働く方は、さまざまなグループ共有施設を利用できると言います。その施設がどれも、取材をしていてうらやましくなるものばかり・・・。リニューアルしたスペースのご紹介前に、共有施設をご案内いただきました。
1)全て無料!シナジーカフェ「GMO Yours」
ここは24時間利用できる、社員食堂を兼ねたコミュニケーションスペースで、なんとメニュー全てが無料。朝はホテルのパンやグラノーラが並び、ここで朝食を食べてから出社する社員もいるとか。お昼は日替わりでメニューが変わるビュッフェスタイル。食材にもこだわっていて、メニューには産地の表示もされています。カフェ内が混み合っていて席が空いていないときは、テイクアウト用のボックスに入れて別の場所でも食べることも可能。
部署ごとにスケジュールを調整して「部署ランチ」をすることもあったり、社内イベントのため「GMO Yours」を貸し切って利用することもあったりコミュニケーションの活性化としても活用。毎週金曜日の夜はバーとしてオープンするので、帰りに一杯、仕事仲間とお酒を飲むこともできるオールマイティなスペースです。
2)社内託児所「GMO Bears」
ここは、オフィスビル内にある託児所、キッズルーム「GMO Bears」。常時、保育士さんがいて、ここに子どもを預けながら働けます。ランチタイムには「GMO Yours」で、お子さんと一緒に食事をとることもOK。利用者は「子どもが少し体調悪いときもすぐに様子を見に行けて、近隣の小児科とも連携しているので安心感がある」との声も。0歳児も預けられるので、待機児童問題でなかなか保育園の入園決まらない方にはとてもありがたい施設。
3)マッサージ・お昼寝「GMO BaliRelax」
こちらの「GMO BaliRelax」は、プロによるマッサージを「10分500円」からという格安価格で受けられるリラクゼーションスペース。自分の都合に合わせてイントラネットで予約できます。マタニティマッサージも受けられるので妊娠中の女性からもかなり好評だそうです。また、マッサージベッドの横には、お昼寝ができる予約制のベッドもあります。
4)お昼寝スペース「GMO Siesta」
通常は会議室として使用している部屋を、平日12:30~13:30の1時間だけお昼寝スペースとして開放している「GMO Siesta」。毎日時間になると、お昼寝用のベッドがずらりと並びます。午後の作業効率UPのために、会社が昼寝を推奨しているそうです。
社員のアウトプットを増やす「ぺパステ」とは?
GMOペパボ福岡支社のフリースペース「ぺパステ」
GMOペパボは、福岡県に支社があります。上写真のフリースペース「ぺパステ」は、2017年5月に誕生したもの。改装前、このフロアは事務的なミーティングテーブルが並んでいるだけの殺風景な場所でした。このフロアをもっと活用できないかと思い、社員同士の交流やアウトプットをする場所としてリニューアルすることになったそうです。
「ぺパステの正式名称は『ペパボ天神ステージ』。ペパボでこまめに行っているさまざまな情報交換会や発表会のために、『思い切ってステージつくっちゃいましょうよ!』とステージを作ったんです。テーブルやソファ、照明なども全てそれに合わせて変えました。弊社が提供しているハンドメイドマーケット事業『minne』で実際に販売されているスツールなどの作品も置いて手作りの温かみのあるインテリアで統一しています。」(野上さん)
「私たちは『インターネットで可能性をつなげる、ひろげる』というミッションの下、インターネットで新たな可能性を生み出す場となるサービスを展開しています。
そのミッションと同様に、オフィスづくりにおいても、私たち総務の予想を超える使い方やレイアウトが広がる場をつくることが、今回のリニューアルで大事にした点です。実際に、オフィスを使う仲間がペパボらしくしようと黒板に絵を描いたり、飾りつけを加えたり、目的に合わせて大胆にレイアウトを変えたりと、アレンジしています。集中できるブースカウンターも作ったので、ここで仕事をしてもいいし、ランチを食べてもいいし、ミーティングもしていい。定時後は、ここのスクリーンを使ってテレビゲームをしていたり、社外の人との交流イベントも開催していたりと、本当にさまざまな形で利用されています。」(和島さん)
集中して作業できるカウンターも設置(福岡支社)
東京本社のぺパステ
こうした福岡の事例を受け、東京本社にあったフリースペースも東京版「ぺパステ」として利用できるようにしたそうです。福岡支社のようにワンフロア全てではありませんが、こちらにも収納可能な大きなスクリーンを設置しており、勉強会や発表会が定期的に行われています。
発表会の様子
「東京本社にも『ぺパステ』を作ったことによって、みんなのアウトプットの機会量が急増しました。オフィスのオープンな場所でエンジニアやデザイナーの社内発表会や部門のミーティングを数多く開催されるので、『あれ? 今日は何の会だろう?』と他部署のイベントにも気軽に飛び入り参加するなど、お互いの仕事ぶりを知ってコミュニケーションをとる機会が増えたと思います。」(野上さん)
ハロウィンパーティーの様子
特殊メイクも本気でアウトプット!
ぺパステを活用して、ハロウィンパーティーも開催。以前、特殊メイクの仕事をしていたという社員が、ハイクオリティなメイクでパーティーを盛り上げていたとか。このイベントも総務が企画したものではなく、自発的に仲間が集まって「面白そうだからやろうよ」と開催したものだそうです。
まとめ「メリハリも大事」
東京本社の執務スペース
最後に、東京本社の執務スペースをぐるっと一周ご案内いただきました。広いフロアで黙々と作業されている皆さん。
「新卒会社説明会や内定式がユニークで奇抜なので、働いているときもワイワイやっている印象を持たれている方が多いですが、仕事をするときはみんな真面目。当然ですが、メリハリをしっかり持ってやっています。」(和島さん)
「ぺパステ」を作ってから会社の雰囲気はかなり変わったようです。和島さんが一番驚いたことは、エンジニアやデザイナーはもちろん、カスタマーサポートを担当する部署の方々もぺパステで社外の方を呼んでイベントを開催し、その後のコミュニティ形成に役立てていることだと言います。
ペパボでは「アウトプットすること、ファンを増やすこと、仲良くすること」が、重視される中、実際にオフィスで働く多くの仲間がイベントを自発的に企画する姿を目の当たりにしたとき、この3つを実現する場が作れたと実感できて本当に嬉しかったそうです。
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