アドプラットフォーム事業や、ポイントメディア事業を軸に、事業開発を行う株式会社VOYAGE GROUPは、「働きがいのある会社」ランキングで3年連続1位を獲得しています。そんな同社では、従業員にとって働きやすいオフィスをどのように整えているのでしょうか。取材をしてみると、コンセプト発案からデザインにいたるまで、さまざまな趣向を凝らしていることが分かりました。
<後編の記事>
広報担当・江頭令子さん
経営理念をベースにしたデザイン
――御社のオフィスデザインのポイントを教えてください
江頭 弊社の社名に含まれている「VOYAGE」は「航海」という意味です。既存のルールにとらわれず、新しいサービス、新しい事業を創っていくという船の旅を想起させるデザインです。
――会社の方向性やヴィジョンをオフィスに落とし込めているということですね
江頭 はい、そうなんです。弊社では、オフィスとは呼ばず「SHIP(シップ)」と呼び、会社は「航海に必要な知力や資力を蓄える場所」として捉えています。そして従業員のことを、一つの船をともに進めていく「CREW(クルー)」と呼びます。
社内BAR「AJITO」
8階エントランス
――エントランスからまず驚いたのですが、この窓がついたオブジェはなんですか?
江頭 このスペースは、社内BAR「AJITO(アジト)」です。初めて来社された方は、「ここがオフィスなんですか?」とフロアを間違えたと錯覚する人も多くいらっしゃいます(笑)。
――どうして社内にBARを作ろうということになったのですか?
江頭 クルー同士がもっと気軽に熱い議論をする機会を増やしたいという意見が上がり、いろいろと議論した結果、社内BARを設置しました。せっかくBARを作るなら、みんなが利用したくなるような、愛着が持てるような場所にしたいと、デザインはコンペを行い、こちらの案が採用されました。
渋谷の夜景も一望できる
クルーが持ち寄ったお酒がたくさん!
江頭 社内のみならず、社外の方も交えてのセミナーやエンジニア交流会なども多数開催されています。お店で飲むよりも、カジュアルに議論できると好評です。
缶ビールと缶チューハイは会社から支給していますが、それ以外のボトルやおつまみなどはすべて、AJITOを愛用するクルーたちが持ち寄り、棚がいっぱいです。
社内BARで交流が活発
江頭 オフィスはトップダウンで作った訳ではなく、有志のプロジェクトチームが主体となり、社内の意見を吸い上げて作ってきました。トップダウンですと、押し付けるようなオフィスになってしまいがちですが、クルーが自分たちで作ったものという感覚もあり、愛着もわきやすくなります。特に社内でAJITOでは、AJITOでミーティングすることを「アジティング」と呼び、愛用クルーの希望者がアジティングパーカーを作るほど愛されています。
いろいろな楽器も置いてある
音楽バンド「ボヤロック」
江頭 サークル活動も活発で、音楽バンドサークル「ボヤロック」が、ランチタイムにミニライブを開催することもあります。定時以降は、ここで楽器の練習もしていいですし、ゲームサークルが集まってゲームをして盛り上がっていることもありますよ。
――エンジニアの方って、社内の人とコミュニケーションを活発に取りたくないというイメージがあるのですが・・・
江頭 弊社のエンジニアは真逆な人が多い気がします(笑)。このAJITOを一番活用しているのはエンジニアのクルーが一番多いです。ランチもここで食べてもOK。お酒は18:30以降であれば、自由に飲んでいいルールになっています。
大陸をイメージしたユニークな会議室デザイン
8階のフロアマップ
――会議室のデザインもいろいろと趣向をこらしているとお聞きしましたが、どんな会議室なのですか?
江頭 8階の会議室は、大小合わせて全部で12部屋。基本的に、来客用として使うことになっています。
社内ミーティングは、AJITOや階下の執務エリアにある会議室などでおこなっていますね。8階の部屋は、実際に存在する大陸名と、架空の大陸の名前がつけられています。
会議室「アトランティス」
壁やイスに段ボール素材を使用
江頭 この部屋は、メイン素材に段ボールを使用している会議室です。段ボールは一枚、一枚の紙は薄く弱いものですが、ひとつに重なることで強度を増してモノができる。私たちの事業やプロジェクトは、一人ひとりの力が集まって大きく発展していくので、CREEDの「仲間と事を成す」を表現した部屋になっています。
会議室「レムリア」
壁に船のロープ素材
江頭 この会議室は、船で使われているロープを取り入れたデザイン。「これは、こう使うべき」という固定概念ではなく、内装も事業内容も自由な発想で考えていけたらと思っています。通常オフィスには使わないであろう素材をふんだんに、いろんな場所に使用しています。
会議室「ジパング」
さまざまな地域の石垣を組み合わせた
江頭 ここは「和」をイメージした会議室で、畳と掘りごたつがある部屋です。壁には石垣を使用。実は石垣のデザインは、日本の地域によってデザインが違うんです。各地の石垣を集めて、新しいデザインに活かしています。
会議室「アフリカ」
江頭 壁に使用している変わった形のスポンジは、吸音材。通常は壁の裏に隠すものなのですが、あえて表に出しています。声の反響がほとんどしない空間なので、まるで録音ブースに入っているような感覚。3面の壁をホワイトボード化していて、長時間の会議を想定しているときはこの部屋を利用します。
会議室「ユーラシア」
江頭 ユーラシアは、緑色のデコレーションをふんだんに使用。この部屋に入ったお客様からは「まるでジャングルみたい」、「深海にいるみたい」という感想をよくいただきます。
会議室「ムー」
シャンデリアのある会議室
江頭 エレガントな雰囲気の「ムー」。天井の照明はシャンデリア、椅子や壁もアンティーク調です。
デザインモチーフは統一!素材の違いの会議室
江頭 4名用会議室が4部屋あるのですが、壁のオブジェのデザインはすべて統一。しかし、「革、錆、壁紙、アクリル板」と、部屋ごとに素材を変えて部屋の雰囲気に違いを出しています。
壁のオブジェは渋谷周辺地図
江頭 このオブジェ、実は弊社周辺の地図。こちらのシルバーのブロックが弊社オフィスです。
――ひとつひとつの会議室にここまでデザインをこだわっているなんて・・・。8階を回っているだけで、遊園地のアトラクションに乗っているような感覚になります!
江頭 弊社では、リアル脱出ゲーム型の採用イベントやグループワークを開催しています。イベントではオフィス全体を使って行いますので、参加している学生がVOYAGE GROUPの雰囲気や経営理念を自然と知れるようにもなっています。
――まだまだ続く、VOYAGE GROUPのオフィス見学。次回後編では、社内カフェや快適な執務スペース、オシャレな図書館などをご紹介します。お楽しみに!
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