自社で働く社員だけでなく、その家族も幸せに、という考えのもと、珍しい社内制度を導入している株式会社ウエディングパーク。結婚準備クチコミ情報サイトを運営している同社ならではの取り組みについて、人事本部長の保田誠一郎さんにお話を伺いました。
人事本部長 保田誠一郎さん
ユーザーと自分自身も幸せになる制度
ウエディングパークは、「結婚を、もっと幸せにしよう。」という経営理念を掲げており、その“幸せ”には3つの意味が込められているといいます。
その意味とは、「結婚するカップルを幸せにできるような会社にしよう、ブライダル業界全体で働く人たちに幸せになってもらえるような影響力のある会社にしよう、そして、それらを実現していくために、まずは自分自身も幸せを実感できるような働き方をしようという」という3つです。
同社では経営理念にもとづいた文化を「カルチャー」と呼び、“幸せなサービスを届けるために、まず働く社員を幸せに”という想いを体現したさまざまな制度を導入しています。
<ウエディングパークの制度>
●結婚準備休暇
結婚準備者を対象に1日の休暇が付与される
●祝って22(ふうふ)
結婚記念日(1周年、10周年、25周年)にお祝い金を2人分付与
●休んで5(ファイブ)
入社3年目以上の正社員は、毎年5日間の特別休暇を取得できる
●どこでも5(ファイブ)
勤続5年以上の社員に家賃補助として、月額5万円が支給
●家族へありが10(ありがとう)
自分の家族へ感謝の気持ちを伝える特別休暇(1日)を取得できる
たとえば「家族へありが10」の場合、社員なら誰でも取得可能。特別休暇で家族と過ごした写真を後日社内SNSで共有し、本人だけでなく社員全員がポジティブな気持ちになってもらいたいとの想いでつくられたそうです。
また、制度名もカルチャーを浸透させるための重要な要素として考えられており、覚えやすく、社内の共通言語として語られるようなキャッチーなネーミングを心がけているといいます。
1年交代制の「WPPJ」とは
社員総会を運営する「WPPJ」
ウエディングパークはカルチャーを体現した制度を整えるだけでなく、「WPPJ(Wedding Park Project)」と呼ばれるカルチャー推進プロジェクトも立ち上げました。WPPJは事業の拡大とともに社員が増加したタイミングで設立。カルチャーを浸透させることで、社内の一体感を高めることを目的にしているといいます。
WPPJは、加入を希望した新卒社員を中心にチームが構成され、メンバーは1年ごとに交代。社員総会や社内イベント運営などを行ない、新たに入社した中途社員の方はもちろん、全社にそのカルチャーを推進。
ほかにも、社員の結婚や子どもの誕生などを全社員参加の朝会でお祝いしたり、毎月行われる社員の誕生会でケーキやプレゼントを贈呈したりするそうです。
カルチャーが浸透することで社内が活性化
社員の誕生日を祝う
ウエディングパークは制度やWPPJなどを通じて、全社員にカルチャーを浸透させることで社内が活性化。部署を越えたコミュニケーションも活発になり、社員の帰属意識もより強くなったと保田さんはいいます。
「これらの社内制度やカルチャーは、課題があったから整えたというわけではなく、社員が増えるにつれてコミュニケーションなどの課題が出てくるのでは?という先を見越して導入しました。事業拡大前に働きやすい環境やカルチャーを整えることで新卒社員の人材定着率は95%を越え、さらに新入社員がWPPJなどを通じて新しいカルチャーをつくるといった好循環が生まれています。」
同社では新入社員が経営者目線で新しい制度をつくる「せどつく」という取り組みも行っており、さまざまな効果をあげているとのこと。
後編では、「せどつく」によってつくられた制度と運営方針について、詳しく伺います。
【後編の記事】