自動車用パイプ曲げ加工技術を応用し、医療用器具や知育玩具も手がける武州工業株式会社。「全てはお客様のため」をモットーに、2017年には「日本でいちばん大切にしたい会社大賞 審査員特別賞」を受賞しました。
今回の「採用レポート」は、同社代表取締役・林英夫さんと人事採用リーダー・秀島詩奈さんにお話を伺います。
人事採用リーダー 秀島詩奈さん 代表取締役 林英夫さん
武州工業の事業内容
Q.御社の事業について教えてください
弊社は1951年の創業以来、自動車用の熱交換器パイプと板金部品の製造で成長してきました。
現在はパイプ加工技術を武器に顧客層を拡大し、自動車70%、医療機器25%、航空宇宙・その他5%というバランスのよい売上構成となっています。
武州工業のものづくりは「武州式1個流し生産」を採用しており、一人の技術者がさまざまな工程を担当しています。製品の組み立て工程を完成まで1人ひとりが受け持つことで、海外での大量生産に負けない低コスト・高品質を実現しました。
武州工業の採用施策
Q.求人募集の方法について
新卒採用、中途採用ともに毎年4、5名ほど採用しています。
中途の場合は「エン転職」からの紹介がメインで、弊社で足りない技術をもった人材を採用する目的で活用しています。
新卒の求人媒体は「マイナビ」をおもに利用し、ほかにも採用イベントに参加したり、「たまナビ」などの地元大学のネットワークから紹介してもらったりしています。
もともと弊社は、国内にしっかりと根を張って活動を続け、地域の雇用を守ることを理念としているので、地元との関わりを大切にしています。
Q.御社の抱えている採用の課題点は?
求人媒体に掲載しても、大手企業の情報に埋もれてしまい、応募が集まりにくいことです。
働きやすさをアピールしても中小企業なので目立ちにくく、素材産業なので自社商品を使ったアピールも難しい。このような現状のなか、いかにブランディングを強化するかが課題となっています。
Q.御社の採用したい人物像は?
ひとりの技術者がさまざまな工程を担当する業務形態なので、自律性を持った方を採用したいと考えています。また、作業自体は個人で行っていても、チームで連携して、ひとつの製品を完成させているので、コミュニケーション能力も必要となります。
Q.御社が行っている採用施策は?
地元の大学や高校と提携したインターンシップに力を入れています。
高校生のインターンは10年くらい前から行っており、2~3年生を対象に3~7日間の職業体験をするプログラムです。インターンをきっかけに入社した社員も多く、既存社員と一緒にものづくりを経験することで採用ミスマッチは激減。現在、入社3年後の定着率は90%以上です。
ほかの採用ミスマッチを減らす施策として、説明会のあとに工場見学を行っており、言葉だけでは伝わらないリアルな業務内容や社員の人柄を紹介。また、自社を説明するときは、大げさに誇張しないよう、悪いところも含めて本当のことを伝えるようにしています。
たとえば弊社の場合は、入社後に必ず製造部に配属し、現場での仕事を覚えてもらうようにしています。最初から設計部を希望したとしても、現場の仕事を覚えてからでないと技術系の仕事はできないので、入社後にできる事業内容に納得いただいてから選考に進んでもらうようにしています。
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当社のここがイチオシ!
「武州式1個流し生産」で生産性アップ
武州工業のイチオシは、「ものづくり」の仕組みです。
「武州式1個流し生産」は“一人親方”のような感覚で、ものづくりの神髄を知ることができます。
作業ペースを可視化できるアプリ「見え太くん」
自ら作業ペースを管理できる手助けとして、自社開発IOTツール「見え太くん」も自社開発しました。
これは、生産状況をグラフにしてペースを可視化できるアプリで、作業が止まったときに理由を入力すれば、どんな理由で生産性が上がらないのか分析することもできます。
「見え太くん」は、2018年春からリリース予定ですが、弊社では監視ツールとして使わないように意識しています。たとえば、作業ペースを上司が決めてしまうとノルマになってしまいますが、自分で決めることで自律性を養い、改善点に気づき、生産性を上げるためのツールとして活用できます。