デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団として、国内外で活躍の幅を広げるチームラボ。渋谷ヒカリエや日本科学未来館(お台場)で好評を得ている「学ぶ!未来の遊園地」は、世界中で累計500万人以上を動員しています。
今回は働きやすさを追求し、チームラボが自らデザインを行ったというオフィスを見学させていただきました。取締役の堺大輔さんと採用担当の伊丹孝明さんに、オフィスに対するこだわりについて話をお聞きします。
取締役 堺大輔さん 採用担当 伊丹孝明さん
壁や床はカラフルにしてテンションを上げる
チームラボのオフィス内装はポップでカラフルな色使い。これは、メンバーの想像力を刺激するための工夫だといいます。通路側の壁はどのフロアも黄色に塗られ、室内が明るく映えます。
「白を基調としたオフィスなどは配色がまとまっています。しかし、チームラボのオフィスでは、あえて色数を多くしました。色が統一されたオフィスだと、きちんとした雰囲気が強くなり、リラックスしにくい環境になってしまいます」と語る堺さん。
「このオフィスは“堅苦しくしなくてもいいんだよ”というメッセージを伝えています。クリエイティブな作業をするときに、リラックスした気持ちになれる空間を目指しました。」
デスクにもアイデアを生み出しやすくする工夫
自由にメモが書ける「メモデスク」
机の天板がメモ用紙として書き込める「メモデスク」も、チームラボの働き方をよく表していると語る堺さん。
「会議でホワイトボードを使う場合、リーダーなど特定の人だけが使用して、他の人は聞くだけ、という形式になりがちです。しかし、チームラボの場合は各分野の専門家が集まり、フラットな関係で業務を進めていきます。そこで、全員が同時に使えるメモデスクをつくりました。」
「メモデスク」で会議中
会議の基本は各個人がノートPCを持ち込んで、データ共有をしながら行ないますが、手書きできるメモと合わせるほうが効率的で使いやすいとのこと。会議が終わったらメモはめくって持ち出し、携帯で写真を撮ってデータ保存することもあるそうです。
ほかのミーティングテーブルの天板にはさまざまなアート作品が描かれており、それもアイデアを生み出しやすくするための工夫のひとつ。
「天板は会議中にずっと視界に入るものだから、クリエイティブなものがあるほうが想像力が刺激されます」と堺さんは語ります。
仕切りがなければアイデアが生まれる
チームラボでは100を超えるプロジェクトが同時に動いており、プロジェクトごとに専門家が集まってチームをつくります。会議ではプロジェクトの中心となるメンバーが集まるのですが、よりよいアウトプットを生み出すために、プロジェクト外のメンバーからもアイデアをもらうことがよくあるそうです。
仕切りをなくしたミーティングスペース
チームラボでは、アイデアが飛び交いやすくするために、仕切りやパーテーションをなくしました。そうすることで、たまたま通りかかったメンバーにも会議に参加してもらったり、話している内容が聞こえたメンバーが会議に参加したりと、思わぬアイデアの発展が生まれるそうです。
「通りかかったメンバーに『一瞬、いい?』といって、会議に参加してもらうことがよくあります。本当は一瞬で終わらないんですけど(笑)。個室で会議をしていると、誰がなにをやっているかわからないから、入りづらいし、呼び出しにくい。仕切りがあるだけで、知識や知見などを借りるためのハードルが高くなってしまいます。」(堺さん)
ワークスペースも仕切りがない
女性でも軽々と持ち上げられる椅子「ブロックチェア」
また、ミーティングスペースの椅子は軽くて動かしやすいものばかり。これも、会議で人がさっと集まれるための工夫。机もキャスター付きのものにして、簡単に移動ができます。
このようにチームラボでは、チームの生産性を上げるためにさまざまな工夫をしていました。次回、後編ではチームラボのオフィスにある、プロダクトをご紹介します。
<後編の記事>