前編ではメンバーのテンションを上げるためのオフィス内観や、アイデアが生まれやすくなるレイアウトの工夫について、堺さんと伊丹さんに話を伺いました。
後編では、チームラボが開発したプロダクトやアート作品をご紹介します。
店舗設置もされている様々なプロダクト
チームラボのオフィスには、制作したプロダクトがいろいろと展示されています。どれも遊び心満載の作品ばかりで、取材しているこちらも自然とテンションが上ってきます!
瞬時に画像を合成する「チームラボカメラ」
上記画像のプロダクトは、画面に触れることなく、手をかざすだけで合成写真を撮影できる「チームラボカメラ」。カメラの前に立ってフレームや背景を選択し、撮影した画像はFacebookに自動投稿ができます。チームラボカメラは、店舗やイベント会場などに設置し、お客さんが自由に撮影。その写真がネット上で拡散され、集客効果も狙えるとのこと。
こちらは、ハンガーにかかった洋服を手にとると、ディスプレイにその服のコーディネート写真や動画が表示される「チームラボハンガー」。
ハンガーを手に取るだけで、着こなしの参考になる仕組み。すでにいくつかの店舗に実装されており、「いつ、どのアイテムが、何回手に取られたか」などのデータを収集できる機能も備えています。
設立以来取り組んでいるデジタルアート
『生命は生命の力で生きている』
チームラボが設立以来取り組んでいる空間に書く書「空書」。その作品のひとつ、『生命は生命の力で生きている』もオフィス入口に展示されています。“生”という漢字をモチーフにした中央の樹が、時間とともに季節の移ろいを表現。雪に覆われていた樹はやがて花を咲かせ、蝶や鳥たちが集います。
『四季千年神田図 – 田染荘』
6階のエレベーターから降りると、すぐ目に飛び込んでくる『四季千年神田図 – 田染荘』。幅4メートルを超えるこの作品は、大分県豊後高田市の天候をリアルタイムで反映。冬には雪がつもり、春には桜が咲き、現在の天気とリンクして雨が降るなど、まさに「最先端の屏風絵」といえる作品です。
このように、チームラボのオフィスには想像力を刺激するプロダクトやデジタルアートが数多く設置してあります。もともとは、自分たちの働きやすさを追求した形のオフィスですが、訪問する就活生からの評判も上々。
会社説明会を実施する際、チームラボのオフィスで行うのと、それ以外の場所で行うのとでは反応がまったく違い、チームラボオフィスのほうが圧倒的に盛りあがり、満足度も高かったそうです。
メンバーの検索システムもユニーク
社員検索システム「フェイスマップ」
チームラボでは、どの席に誰がいるのかが顔写真付きでひと目でわかる「フェイスマップ」を導入。このシステムは、実際のフロアレイアウトに従業員の写真やプロフィールを登録し、閲覧できます。
名前や部署だけでなく、タグからも従業員を検索可能で、タグは趣味や性格、特徴などを自由に付けることができます。ちなみに、伊丹さんには「痛風」のタグが付いていました。
「すだちサワー」や「人見知りしない」など、ユニークなタグも
「メガネ」タグで検索
各メンバーのプロフィール画面にはオススメの本や好きなアーティストなどの情報も載っており、伊丹さんは従業員の細かいデータを集めたうえでコミュニケーションしたほうが、確実に話ははずむといいます。
受付システム「フェイスタッチ」で呼び出し
登録したメンバープロフィールは、受付システム「フェイスタッチ」に同期。来訪者は、呼び出したいメンバーの写真をタッチして連絡をします。すると、呼び出し画面になり、チャットや電話で呼び出される仕組み。
私たちがオフィス見学に行った際もこのシステムを使ったのですが、伊丹さんの顔写真をタッチすると……
プロフィールや画像は自分で編集が可能
このようなプロフィールが表示されました。
好きな食べ物は、煮玉子とラーメン。住みたい場所は、インドとタイ。これらのシステムは社内外問わず、コミュニケーションを活性化させるために役立つとのこと。
メンバーにとって働きやすい環境をつくり、チームの生産性を上げることを目的にデザインされたオフィス。そこには、各個人の得意な分野を活かして、共にひとつのものをつくるチームラボだからこその工夫が散りばめられていました。これからもこのオフィスから、私たちを驚かすような斬新なデジタルアート作品や、プロダクト、ソリューションが世の中に発信されていくことでしょう。
<前編の記事>